modeller/graphic designer
Tatsuya KANEKO
金子 辰也
Happy modelling!
NEWS
「カモメ」
2024/9/21(土)ー 9/30(月) 11:00-19:00
(9/24、25は休廊 /初日は15:00より/最終日は16:00まで )
Au Temps Jadis(オ・タン・ジャディス)ギャラリー
〒150-0041 東京都渋谷区神南1-5-4 ロイヤルパレス原宿102
▶︎ Au Temps Jadis(オ・タン・ジャディス)webページ
お問い合わせ:kanekokamome2024@gmail.com
「カモメ/ Sea Gull」
昨年2023年古希(齢七十)を迎えた私は、子どもの頃からプラモデルが好きで、大人になってからもその延長でジオラマ(情景模型)に魅せられてきた。気がついたらもう半世紀もジオラマを作り続けている。
そんな歳になって、進行する認知症の母をおいて一昨年父が93歳で他界。気がついたら私より先に天国へ旅立ってしまった友人知人が幾人も……。私自身もあと何年、いくつジオラマが作れるのだろうか。そんな年代になってしまった。
おのずと人の生き死にや人生~ そんなことをいろいろ考えつつそれらを新たなジオラマとして表現できないものかとの思いがふつふつと沸きあがり、ひとつの文言が脳裏に思い出された。「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」画家ポール・ゴーギャン(1848~1903年)の有名な作品のタイトルである。ゴーギャンはタヒチで、これを49~50歳で描きあげ55歳でこの世を去っている。いったいどんなジオラマを作ったら良いのだろうか、それからジオラマの神様との格闘がはじまった。
ゴーギャンは「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」としたが、私は父や友人・知人の死がはじまりにあったので「我々はどこへ行くのか」をメインにおもいをめぐらした末、「人は海へ還り そしてまた海から還ってくる」のではないだろうかとのジオラマ制作のイメージに至った。舞台は海とし、それを空の高みからカモメの目線(ジオラマ的目線)で人間の世界を俯瞰するといった設定で複数作品を制作することにした。
そこで考えたのが昔のレコードアルバム。コンセプトアルバムと呼ばれるもので、テーマに沿った曲が複数曲並び1枚のアルバムとして成立させたものである。そのようにジオラマをテーマに合わせ複数作品をつくり順番に鑑賞していくことでそのメインテーマを感じてもらえたらというみせかたを考えた。
また技術的なことではあるが、今回のテーマに沿った舞台となる海の表現の試みとして、ツヤもなく日本画表現のようなイメージの海を水彩絵の具で描いてみたいとの思いから、国内外メーカーの水彩画用絵の具を調色しながら何層にもかさねて表現することを試みてみた。
金子辰也 2024年8月
「灯台」(2024年) ©️TatsuyaKaneko
【profile】
1953年9月23日生まれ。桑沢デザイン研究所卒。
1977年に模型専門誌にジオラマ作品を発表しプロモデラーとしてデビューする。
以降、現在まで半世紀近くにわたりテーマや表現に趣向を凝らした印象的なジオラマ作品を中心に模型専門誌をはじめ模型メーカー、コマーシャル、テレビ、企画展などをつうじて数多くの作品を発表し続けている。それらの作品や活動を通じて日本における情景模型のあり方を確立したとされ、国内はもとより海外からも高い評価を得ている。
グラフィックデザイナーとしては「SONGS(SUGAR BABE)」「クリスマス・イブ(TATSURO YAMASHITA)などのレコードジャケットデザインも手がける。
TVチャンピオン(テレビ東京)「プロモデラー選手権」3回、4回チャンピオン
「I LOVE TAMIYA 展」(渋谷パルコ)
「金子辰也ジオラマ展」(静岡ホビースクエア)
「金子辰也ダイオラマ・スタイルブック」(大日本絵画刊)
「プラモ インストブック2」(大日本絵画刊)
季刊模型誌「パンツアーグラフ!」(モデルアート社刊)編集長
月刊模型誌「アーマーモデリング」(大日本絵画刊)編集・連載